池の水を抜く番組について、個人的な見解を書きます。
文責は、私、宮坂興基が負います。
雑文ですけどね。
僕の基本的な考え
僕は霞ヶ浦のバス釣りをしています。
バス釣りも好きですが、何よりもこの霞ヶ浦周辺の、のんびりした自然の中にいるのが大好きです。
僕は埼玉県の蓮田市という(当時の)田舎で昭和44年に生まれました。
そんな幼児体験もあって、田畑に囲まれた環境にいるのが、とても癒されるのです。
霞ヶ浦でバス釣りを初めて20年ほど経ちますが、バス釣りだけが大事というよりは、この豊かな自然を守りたいという気持ちを大事にしています。
カバー画像の写真は、僕が大好きな、田んぼの真ん中の神社です。
Twitterで見た、色々な課題の整理
池の水を抜くという番組が霞水系にやってくることで、いろんな議論が巻き起こっています。
Twitterで見かけた課題をあげてみましょう。
ここで大事なのは、どんな課題解決でも、一度に複数の課題を解決することは不可能です。
一個一個、課題を分離して、それぞれについて議論していくことが必要なのです。
- あの番組は気に食わない。視聴率のことだけしか考えていない
- あの番組を支援している学者は悪者だ
- あの番組のせいで、日本の在来種も死んでいる
- バスだけが日本の在来種を減らしているわけではない、農業なども原因だ
- あの番組を許した潮来市は許せない、圧力をかけるべきだ
- あの番組のスポンサーに圧力をかけるべきだ
- バサーが来ないと、潮来市は経済的にダメージを食らう
- 前日にゴミを全部拾って、バサーは悪者ではないと見せつけよう
- 当日みんなで釣りをして、邪魔をしよう
さて、それぞれについて、僕個人の思いを書いていきます。
あの番組は気に食わない。視聴率のことだけしか考えていない
そうですね、その通りだと思います。
でも、民法のテレビ番組にとっては、視聴率だけが全てですからね。
法的に、コンプライアンス的に許される範囲内で、視聴率だけを追い求めるのがテレビ番組です。
あの番組のせいで、いろんな魚が死んでいる
水を抜いた時に、駆除対象以外の魚もたくさん死んだ。
水を抜いた後、魚が減った。
そんなTweetも、よく見ますね。
読む限り、それは事実なのでしょう。
しかし、学術的、数値的に明確になっていないのです。
あの番組が「在来種の保存」「外来種の撲滅」に、役立ったのかどうなのか。
それは、明確な結論は出ていません。
でも、それなりの視聴率があるってことは、視聴者は楽しんで見ているのです。
それが事実です。
水を抜いたら何が出てくるのかなーという、子供のような気持ちをうまく引き出しているのは、うまい企画だとも思いますね。
あの番組を支援している学者は悪者だ
僕自身、その番組を一度も見たことがありませんし、どんな学者が、いくらもらって、どんな協力をしているのか知りません。
僕は魚類の研究、水産の研究をしている学者さんや企業と団体に、色々関わりがあります。
釣りが大好きでその道に入った人が多く、話が盛り上がることが多いです。
実家が漁業で、日本の漁業の活性化ために研究している人もたくさんいます。
魚の研究者がみんな悪者ってわけではないのです。
とはいえ、
「この魚の生態を研究すれば、国や企業からお金が入るし、学会で発表して目立てる!」
と言い切っている先生もいらっしゃるのは事実ですね。
でも、そんなの、アカデミックな世界では、よくあることです。
繰り返しますが、この番組に協力している人のことは知りませんが。
バスだけが日本の在来種を減らしているわけではない、農業なども原因だ
これも明確な答えはありません。
ただし、バスが大量の魚を食うフィッシュイーターだということは、確かです。
鯉や、チャネルキャットフィッシュなども、大量の魚を食べることは分析されていますが、実際に
「在来種を一番食べる魚は誰?」
という疑問には、回答は出ていません。
「農業なども原因だ」
という議論には、個人的に思うことがあります。
前述の通り、僕は埼玉の田舎で幼少期を過ごしました。
近所の田んぼには、小エビも、メダカも、夏になれば蛍も、普通にいました。
しかし、昭和50年前後を境に、それらの生物は突然、激減しました。
小学生低学年だった僕は、農家のおじさんに聞きました。
「なんでメダカも蛍もいなくなったの?」
おじさんは言いました。
「最近、農薬が強くなって、採れる米が増えたからね。しょうがないよ。」
とりあえず、その田んぼにはブラックバスはいませんでした。
大人になってから、ブラックバスのせいだという本が売れ、違和感を感じ、農薬について調べました。
いつも協力的な方々から、
「その話は、あんまり関われないよ。」
と言われました。
あの番組を許した潮来市は許せない、圧力をかけるべきだ
Twitterでも書きましたが、今回の水を抜く対象は、前川ではなく、信方干拓水路。
ちなみに、プール前の水門より東は前川じゃなくて、延方干拓水路。潮来市管理。
西は前川、茨城県(潮来土木事務所)管理。— SAKANA Magazine (@sakanamagazine) September 24, 2019
ため池などと同じ扱いで、管理している潮来市の判断で、水を抜くことも、埋め立てることも可能らしいです。
「潮来土木事務所は何を考えているんだ!」
というTweetもありましたが、無関係です。
ここから憶測になります。
潮来市は、ほぼ30年、人口純減しています。
さらに震災のダメージで、出費もかさみ、観光客も激減しています。
鯉ヘルペスで鯉事業は全て廃業、原発事故により鰻は出荷停止。
潮来周辺で釣りをしている人は、潮来が毎年寂れて行くのは、よくわかると思います。
昔のあやめ祭りは賑やかだった・・・
そんな状況の中、潮来市は何かあれば飛びつく状況なんだろうなと、悲しく予想しています。
叩くのはやめましょう。
何よりも、市役所にクレームを入れようぜと呼びかけるのは、ダメでしょ。
何と闘ってるの?と、個人的には思います。
バサーが来ないと、潮来市は経済的にダメージを食らう
そうかもしれませんが、いまさら大したことないと思います。
僕が潮来市で使うお金は、ビジネスホテル、釣具屋、コンビニ、飲食店などで、年間20万程度でしょうか。
釣り人としては落としている方だと思うのですが。
そのうち粗利で数万、税金となると数千円です。
僕が潮来ストライキ起こしても、誤差ぐらいでしょう。
脅迫として、実質的には意味がありませんね。
あの番組のスポンサーに圧力をかけるべきだ
ここは書き始めたらキリがないのですが。
テレビ番組とスポンサーなんで、視聴率が高ければ、そのまんまです。
海外ゴ●フ接待とか、風●接待とかで成り立ってるので、個人の脅迫程度で変わらないです。
テレビCMを出すこと、人気番組スポンサーになることがマストだと思う大企業の老人がいる限り、その世界は安泰なのです。
前日にゴミを全部拾って、バサーは悪者ではないと見せつけよう
これはとても素晴らしいと思います。
「池の水を抜く」が気に食わなくても、ポジティブに迎え撃つ。
日本のリベラル活動家は、こういう目に見えてすぐに効果がない活動に我慢ができず、すぐに暴れちゃうんですが。
気にくわないことがあれば、頭に来るし、殴り返したくなる。
それもわかります。
でも、それじゃ解決しません。
気にくわない相手が、恥ずかしくなるように包み込んであげるのも、一つの方法なんでしょうね。
個人的には、コスプレでゴミを拾うリアルライフヒーローという活動が好きです。
当日みんなで釣りをして、邪魔をしよう
結構、攻撃的な意見も多いですね。
でも、それって、個人的に自分のやったことに満足したいだけ、自分がやったと威張りたいだけじゃないですかね?
僕が思う課題
なんかみんな、戦闘的になりすぎじゃないですか?
いつもはあんまり考えてないのに、今回だけ理論武装(しようと)してません?
もっと、思うこと言った方がいいんじゃないですか?
ということで、僕が言いたいこと2つ言います。
1. いつも僕がバス釣りをしているポイントが対象にされたのが悲しい
僕は、以前よく釣りをしていた前川(延方干拓水路)がターゲットにされたのが、ショックでした。
こういう議論の時、例え話をすると、余計に議論が拡散するのはわかっているのですが、あえて例えます。
僕はバードウォッチャー。鳥を見るのが好き。
渡り鳥が多くくる大好きなポイントが、「鳥のフンのせいで、木が枯れた」という理由で、突然林が伐採されることになった・・・
ってぐらい、理不尽に悲しいですよね。
多分、今回の水を抜く話で、みんな怒ってるのは、ここだと思うんですけど、違うのかな?
もしそうだとしたら、明確にその意思を発信した方がいいと思う。
2. バス釣りを悪者にされるのがムカつく
バス釣り好きなだけなのに、なんで俺は悪者扱いされるの?って僕は思うのですが。
生態系がー!とか、知識がないのに突然言い出しちゃうから、ダメなんだと思う。
バス釣りの楽しさを、もっと多くの人に知ってもらう。
魚だけではなく、自然環境の課題を日々学ぶ。
ってのが大事じゃんじゃないかなと思います。
僕の意見まとめ
「水を抜く」のが、なんで嫌なのか、自分の気持ちを考えよう。
攻撃的になるのはやめよう、ロジカルに対策を考えよう。
以上、思うことを書いてみました。